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エミール・ノルデ展(東京都庭園美術館)
夏、このポスターを見かけて、「これ行かなかった絶対後悔するな」と思いました。
でもこの人については名前を聞いたことも絵を見たこともありません。 何か好きかも・・・という直感。 というわけで、土曜日に行ってきました。 今回はともに「アートで日常生活を豊かにしよう」を実践する、お友達のMさんと一緒。 庭園美術館は、大ホールには何度も歌の練習で行ったことがあるのに、美術館に行くのははじめて・・・。ずーっと気になってはいたのですが。 さて、ノルデは20世紀前半にドイツで活躍した画家だそうです。 今回の展示では水彩・版画を中心に120点くらいが展示されていました。 最初の「風景」のゾーンで、直感はあたったなと思いました。 絵を見に行くようになってから、水彩を中心にじっくり見たのははじめてかもしれない。 小中学校でさんざん使って、ぜんぜんできなかった水彩・・・。 プロが描くとこうなるのかあという感じでした。 びっくりしたのが「にじみ」。水彩はにじんだらいけないのだと思ってきたのですが、 彼の絵はあえてにじませ、偶然できるにじみぐあいをうまく使って作品に仕上げているのです。 描いた後に雪の降る戸外に置いておいた作品も(!)。 このポスターに使われた「黄色と緑による女の肖像」も、おそらく大まかに色を乗せた後に黄色と緑を上から塗って出たにじみを出しているんだと思います。 他にもぞわーっとする絵はたくさんあったけど、私はやっぱりこのポスターの絵が一番好きでした。 実物はもっともっとエネルギーをもってます。 おそらく、1点1点ができるのにそれほど時間はかかっていないと思うのですが、時間がかかっているかどうかはその絵のすばらしさや価値には関係ないなと実感しました。 晩年はナチスに制作活動を禁止されたり、多くの作品が焚書されたりとつらい環境で隠れて小さな水彩画を描き続けたそうです(それらの絵は、またものすごい力を発してしました)。 今、晩年をすごしたゼーヴィルには遺言どおり「ノルデ美術館」があるそうなので、いつかぜったい行きたいです。 さて、庭園美術館そのものも、アートを鑑賞する空間としてすばらしいです。 実は明治~昭和初期の洋館も好きなのです。 この建物は昭和8年に朝香宮邸として建てられ、迎賓館などとして使われた後、そのまま美術館として公開したのだそうで、当時大流行したアール・デコ様式を伝える貴重なもの。 この建物自体が美術品のようで、とても居心地がいいし、見るべき点もたくさんあります。 前回の「ロシア絵本」のときはどんな風にこの空間がかわったんだろうと思うとかなり後悔です。 何で今まで行かなかったんだろう・・・。 まあ、過ぎたことは仕方ないので、これからは足を運びます。 庭園ではたくさんの人が思い思いに休日を過ごしていました。 caféも気持ちよくておいしいし、かなり好きな場所になりました。 エミール・ノルデ展は11月7日(日)までです。 東京都庭園美術館ホームページ
by montblanc1201
| 2004-10-24 09:33
| ART
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